巻き肩の改善方法|原因と対策を徹底解説

目次

巻き肩とは?

巻き肩とは、肩が前方に巻き込まれた状態のことを指し、デスクワークやスマホの使用、筋力バランスの崩れが主な原因です。

猫背とセットで発生しやすく、肩こりや首の痛み、呼吸の浅さにつながることもあります。

巻き肩の主な原因

巻き肩の主な原因は以下のとおりです。

  1. 姿勢の悪化(デスクワーク・スマホの長時間使用)
  2. 胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)の緊張
  3. 背中の筋肉(僧帽筋・菱形筋)の弱化
  4. 肩甲骨の可動域の低下
  5. ストレスによる筋緊張

巻き肩の根本的な原因の一つに 姿勢悪化による脊柱(背骨)の歪み があります。
特に 胸椎(きょうつい) の可動性やカーブの変化が、肩の位置や可動域に影響を与えます。

脊柱(背骨)と巻き肩の関係

脊柱は 頸椎(けいつい)・胸椎(きょうつい)・腰椎(ようつい) の3つの部分に分かれます。
巻き肩は 胸椎の後弯(猫背) によって引き起こされることが多く、結果として肩の位置が前方にずれます。

胸椎(Thracic Spine)

  • 正常な胸椎のカーブは「後弯(こうわん)」している(後ろに丸くなる)
  • 巻き肩では胸椎の後弯が過度に強くなる(猫背姿勢)
  • 胸椎が丸まると肩甲骨が前に引っ張られ、肩関節が内旋しやすくなる

→ 結果として、肩が前方に入り、巻き肩の状態になる

頸椎(Cervical Spine)

  • 巻き肩になると、頭が前に出る(ストレートネック)
  • 頸椎の前弯(ぜんわん)が失われ、首こり・肩こりが発生
  • 特に第5〜7頸椎付近の負担が増加し、首の不調を引き起こす

腰椎(Lumbar Spine)

  • 巻き肩になると骨盤が後傾しやすくなる
  • 腰椎の前弯が減少し、反り腰や腰痛の原因に
  • 胸椎が丸まり、腰椎が過剰に前傾すると「反り腰+巻き肩」の悪い姿勢になる

肩甲骨の位置異常

  • 正常な肩甲骨のポジション
    • 背骨(胸椎)から約5〜6cm離れている
    • 下角が第7胸椎の高さにある
    • 肩甲骨の前傾角度が約10〜15度

→ 巻き肩になると肩甲骨が前に傾き、外側に広がりやすい(外転・前傾)

肩関節の内旋(内巻き)

  • 肩関節(肩甲上腕関節)の正常な状態
    • 上腕骨の自然な外旋(外向きの動き)が保たれている
    • 肩甲骨と調和して動く

→ 巻き肩では肩関節が内旋し、腕が内側に入りやすくなる

  • 肩が内旋すると大胸筋・小胸筋が短縮し、肩関節の可動域が低下
  • 「手のひらが後ろを向きやすい」姿勢になり、見た目が悪くなる

骨格からアプローチする改善方法

胸椎の可動性を高める

巻き肩の改善には、硬くなった胸椎を動かすこと が大切です!

胸椎のモビリティ(可動性)向上エクササイズ

  1. キャット&カウ(Cat & Cow)
    • 四つ這いになり、背中を丸めたり反らせたりする
    • 胸椎の動きを引き出し、背骨全体の柔軟性を高める
  2. 胸椎回旋ストレッチ
    • 横向きに寝て、腕を開くように回旋する
    • 胸椎の回旋動作を改善し、肩甲骨の可動域を広げる
  3. フォームローラーを使った胸椎伸展ストレッチ
    • フォームローラーを背中(胸椎部分)に当てて仰向けに寝る
    • 胸を開くようにストレッチし、背骨の後弯を軽減する

肩甲骨のポジションを整える

肩甲骨は「可動性」と「安定性」を兼ね備えた部位で、巻き肩の改善には肩甲骨の正常な動きを取り戻すことが重要です。

肩甲骨の位置を正すことで、肩の前傾・巻き込みを防ぐことにつながります!

巻き肩では肩甲骨が「前傾・外転」し、背中の筋肉がうまく機能しません。
「肩甲骨の後傾・内転」を意識したエクササイズが重要となります!

肩甲骨の安定化エクササイズ

  1. YWTエクササイズ
    • 肩甲骨の後傾を強化する
  2. シュラッグ(Scapular Shrug)
    • 僧帽筋下部を鍛え、肩甲骨を下制する
    • ダンベルを持って肩を引き下げる動作
  3. フェイスプル(Face Pull)
    • 僧帽筋中部・下部と後背部を鍛え、肩甲骨のポジションを安定させる
    • ケーブルやチューブを使い、顔の高さまで引く動作
  4. ウォールスライド(Wall Slide)
    • 肩甲骨の可動域を改善し、姿勢をリセットする
    • 壁に背中をつけて、手を上下にスライドさせる
  5. プランク+肩甲骨寄せ
    • 前鋸筋と僧帽筋下部を同時に鍛える

骨盤の位置を整える

巻き肩と骨盤の後傾はセットになりやすいため、骨盤のアライメントを正すことも重要です!

骨盤の安定化エクササイズ

  1. ヒップヒンジ(Hip Hinge)
    • 骨盤のニュートラルポジションを意識するトレーニング
    • 腰を反りすぎず、適切な前傾を意識する
  2. ブリッジ(Glute Bridge)
    • 骨盤を支える大臀筋を鍛え、後傾を防ぐ
    • 仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げる動作

また、巻き肩の方は呼吸が浅くなりやすく、特に「胸式呼吸」が強くなる傾向があります。
→ 腹式呼吸(横隔膜を使う)を意識することで、姿勢が改善しやすくなります!

呼吸エクササイズ

  • ドローイン(腹横筋を活性化) → 仰向けで息を吐きながらお腹を凹ませる(10秒×3セット)
  • 風船呼吸エクササイズ → 風船を膨らませることで、横隔膜と腹圧を高める

巻き肩に関与する主要な筋肉

① 短縮(硬くなりやすい)筋

巻き肩では前側の筋肉が過度に緊張し、肩を前に引っ張ります。
特に短縮しやすい筋肉は以下のとおりです。ストレッチを

  • 大胸筋(Pectoralis Major)
    → 肩を前方に引く作用があり、硬くなると肩が巻き込まれる。
  • 小胸筋(Pectoralis Minor)
    → 肩甲骨を前傾させるため、短縮すると肩が前に出やすい。
  • 上腕二頭筋(Biceps Brachii)
    → 長頭が肩甲骨に付着しており、短縮すると肩が内旋しやすくなる。

硬くなりやすい筋肉は、ストレッチでアプローチしていきましょう!


② 伸長(弱くなりやすい)筋

巻き肩では背面の筋肉が引き伸ばされ、機能が低下します。
特に弱くなりやすい筋肉は以下のとおりです。

  • 僧帽筋中部・下部(Trapezius, Middle & Lower Fibers)
    → 肩甲骨を後方へ引く作用があり、弱化すると肩甲骨が前に流れやすい。
  • 菱形筋(Rhomboids)
    → 肩甲骨を寄せる(内転させる)役割を持ち、機能低下すると肩甲骨が外に広がりやすい。
  • 前鋸筋(Serratus Anterior)
    → 肩甲骨の安定に関与し、機能低下すると猫背が助長される。

これらの筋肉は、筋力トレーニングを行い鍛えることで機能を向上させましょう!


巻き肩改善のためのストレッチ&エクササイズ

① 胸のストレッチ(大胸筋・小胸筋)

方法:

  • 壁に片手をついて、上半身をひねる
  • 30秒×左右1セットずつ
    ポイント: 胸の筋肉をしっかり伸ばすことで、前方に引っ張られる力を軽減

② 肩甲骨の可動域アップ(肩回し)

方法:

  • 両肩に手を置き、肘で円を描くように前後に回す
  • 10回×2セット
    ポイント: 動作を大きくし、肩甲骨をしっかり動かす

③ ドアフレームストレッチ小胸筋

方法:

  • ドアのフレームに両手をかけて、胸を前に突き出すようにストレッチ
  • 30秒×2セット
    ポイント: 小胸筋を緩めることで肩が開きやすくなる

④ 背中の筋トレ(僧帽筋・菱形筋強化)

背中の筋肉を強化し、肩を後ろに引く力を高める

種目:

  • シーテッドロー(ゴムバンド or マシン)
    → ケーブルやチューブを使い、背中を引き締める(12回×3セット)
  • フェイスプル(ゴムバンド or ケーブル)
    → ロープやゴムバンドを使い、肩甲骨を寄せながら引く(15回×3セット)
  • ウォールスライド(Wall Slide)
    → 壁に背中をつけ、腕を上下に動かす(10回×2セット)

⑤ 猫背改善トレーニング(ブリッジエクササイズ)

方法:

  • 仰向けに寝て、膝を立てる
  • お尻を持ち上げ、肩甲骨を寄せる
  • 10秒キープ×3セット
    ポイント: 背面の筋肉を意識しながら行う

巻き肩改善のための実践ポイント

巻き肩を根本から解決するためには、骨格のバランスを整えることが重要です!

  • 胸椎の可動域を広げる(ストレッチ & モビリティ)
  • 肩甲骨のポジションを整える(僧帽筋・菱形筋・前鋸筋を鍛える)
  • 肩関節の内旋を防ぐ(大胸筋・小胸筋のストレッチ)
  • 骨盤を安定させる(腹圧を高める & ヒップヒンジを意識)

日常生活で気をつけるべきポイント

  1. 正しい姿勢を意識する
    • 背筋を伸ばし、肩をリラックスさせる
    • 耳・肩・骨盤が一直線になるように座る
  2. 長時間のスマホ・PC使用を避ける
    • 30分ごとに休憩を入れ、ストレッチをする
  3. 適度な筋トレとストレッチを継続
    • 週2~3回、ストレッチ&筋トレを行う
  4. 寝るときの姿勢を見直す
    • 高すぎる枕はNG!首と背骨が自然なカーブを描くようにする

まとめ|正しい姿勢を手に入れましょう!

巻き肩の根本原因は、胸椎の後弯・肩甲骨の前傾・骨盤の後傾 にあリます!

日常の悪い姿勢が積み重なって起こるため、胸のストレッチ・肩甲骨の可動域改善・背中の筋トレ呼吸改善が必要となります。

骨格のバランスを整え、適切なエクササイズを行うことで改善が可能です!

まずは3ヶ月ほど継続してみましょう!姿勢が改善し、肩こりや猫背も軽減されるうえ、呼吸や代謝も向上していきます!

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