前鋸筋(ぜんきょきん)は、肩甲骨を支え、スムーズな肩の動きを助ける重要な筋肉です。
特に、肩を安定させる役割を持ち、スポーツや筋トレ、日常生活の動作においても大きな影響を与えます。
目次
前鋸筋とは?
前鋸筋は「ボクサー筋」とも呼ばれ、肩甲骨の内側から肋骨にかけて付着しています。腕を前に押し出す動作や、肩甲骨を安定させる役割があります。
前鋸筋の主な働き
- 肩甲骨の安定化 → 肩関節の動きをスムーズにする
- 肩甲骨の外転(前方移動) → パンチやプッシュ動作で重要
- 肩甲骨の上方回旋 → 腕を高く上げるときに必要
肩関節との関係
肩関節の動きは肩甲上腕リズム(Scapulohumeral Rhythm)と呼ばれる仕組みで成り立っています。前鋸筋が正常に機能しないと、このリズムが崩れ、肩の動きに支障をきたします。
前鋸筋が弱いとどうなる?
- 肩甲骨が不安定になり、肩の可動域が狭くなる
- 腕を上げる際に肩関節へ負担がかかる
- 巻き肩になりやすく、肩こりや痛みの原因になる
前鋸筋を強化するメリット
- 肩の安定性が向上し、痛みを防ぐ
- スポーツや筋トレ時のパフォーマンスアップ
- 姿勢改善につながる(猫背・巻き肩予防)
前鋸筋を鍛えるおすすめトレーニング
プッシュアッププラス(Push-Up Plus)
通常の腕立て伏せの最後に肩甲骨を前に押し出す動作を加える
- プッシュアップの体勢をとる
- 通常の腕立て伏せを行う
- 押し切ったところで肩甲骨を前に押し出す(肩を丸めるように)
ダンベル・パンチ(Dumbbell Punch)
軽いダンベルを持ち、肩甲骨を意識して前方にパンチする動作
- 片手に1~2kgのダンベルを持つ
- 肩をすくめずにまっすぐ前にパンチ
- 戻すときは肩甲骨を寄せるイメージで
15回 × 2セット
壁押しエクササイズ(Wall Press)
壁を押しながら肩甲骨の動きを意識する
- 壁の前に立ち、両手を肩の高さで壁につける
- 肩甲骨を開くように壁を押しながら前鋸筋を意識
- ゆっくり戻す
日常生活で前鋸筋を意識するポイント
- デスクワーク時は背中を丸めず、肩甲骨を意識する
- バッグを片方だけに掛けるのを避ける(バランスを意識)
- 肩をすくめるクセを直し、リラックスする
まとめ
前鋸筋は肩甲骨を安定させ、肩関節のスムーズな動きに不可欠な筋肉です。
肩の痛みや不安定感を感じる人は、前鋸筋の強化を意識することで改善が期待できます!